自律神経を整える食べ物とは?おすすめの栄養素・飲み物や習慣を解説

目次
1. 自律神経を整える食べ物は?おすすめの栄養素と食材
■ 脳の興奮を抑えストレスを和らげる「GABA」
■ 幸せホルモンの材料となる「トリプトファン・ビタミンB6」
■ 心身の土台と疲労回復を支える「タンパク質」
■ ストレスへの抵抗力を高める「ビタミンC」
■ 環境を整えて脳にアプローチする「食物繊維」
■ 自律神経のコントロールに働く「γ-オリザノール」
■ 胃腸の粘膜を保護し働きを助ける「ビタミンU」
2. ホッとする時間に!自律神経を整える飲み物
■ リラックス効果を高める「ココア」
■ 香りで副交感神経を優位にする「ハーブティー」
■ 大豆イソフラボンで優しく整える「ホット豆乳」
■ 腸内環境から脳にアプローチする「飲むヨーグルト」
3. 自律神経を整える食事と生活習慣6つのポイント
■ 規則正しい「1日3回の食事」でリズムを作る
■ 胃腸の負担を減らす「腹七分目」と野菜中心のメニュー
■ 就寝前の胃腸を休める消化を防ぐ「夕食後3時間の休息」
■ 脱水を防ぐ「お酒と一緒にお水を飲む」工夫
■ 心身の緊張をほぐす「適度な運動」
■ 自律神経をスイッチする「良質な睡眠と入浴」
4. まとめ

株式会社 NISHIO PLANET
企画開発顧問
薬剤師 瀨野浦 央(せのうら ひろ)
株式会社 NISHIO PLANET
企画開発顧問
薬剤師 瀨野浦央(せのうら ひろ)
経歴
- 2018 年第一薬科大学卒業
- 2019 年メディカルハーブコーディネーター資格取得
- 2020 年ハーバルセラピスト資格取得
- 2022 年~医師会准看護学校での薬理講師
- 2024 年シニアハーバルセラピスト資格取得
1. 自律神経を整える食べ物は?おすすめの栄養素と食材
自律神経は、活動時に優位になる交感神経と、休息時に優位になる副交感神経がバランスを取りながら、体温や呼吸、睡眠、消化などを調節しています。 自律神経は特定の食べ物だけで整うものではありませんが、神経伝達物質の材料となる栄養素や、ストレスを受けた体のコンディションを支える栄養素を不足なく摂ることは大切です。 ここでは、自律神経の働きを食事面からサポートする7つの栄養素と、毎日の食卓への取り入れ方を紹介します。
■ 脳の興奮を抑えストレスを和らげる「GABA」
〈役割〉 GABAは、私たちの体にもともと存在する成分です。 神経の興奮を穏やかにし、リラックスした状態をサポートする働きがあることから、自律神経を意識した食生活でも注目されています。 GABAを含む食品だけで自律神経が整うわけではありませんが、毎日のバランスの良い食事の中に無理なく取り入れることが大切です。 〈多く含む食材〉 ・発芽玄米 ・トマト ・なす ・かぼちゃ ・じゃがいも ・発酵食品 〈取り入れ方〉 白米を発芽玄米に替えたり、トマトやなす、かぼちゃ、じゃがいもを使った野菜カレーにしたりすると、毎日の食事でも無理なく取り入れられます。スープや煮込み料理など、煮汁ごと食べられる料理もおすすめです。
■ “幸せホルモン”の材料となる「トリプトファン・ビタミンB6」
〈役割〉
トリプトファンは、体内で作ることができない必須アミノ酸のひとつです。 気分を穏やかに保つことに関わるセロトニンや、睡眠リズムを整えるメラトニンの材料になるため、自律神経を意識した食生活でも大切な栄養素です。 また、ビタミンB6は、トリプトファンを体内で利用する際に役立つ栄養素です。毎日の食事では、さまざまな食品を組み合わせながら、バランスよく取り入れることを心がけましょう。
〈多く含む食材〉
【トリプトファン】
・大豆製品(豆腐、納豆)
・卵 ・乳製品(牛乳、ヨーグルト)
・魚類 ・ナッツ類 【ビタミンB6】
・かつお ・まぐろ ・鮭 ・鶏むね肉
・バナナ
〈取り入れ方〉
朝食にヨーグルトとバナナ、昼食に鮭やまぐろ、夕食に豆腐や納豆などを取り入れると、複数の食品から無理なく補えます。 セロトニンの材料を摂るだけでなく、朝に日光を浴び、日中に適度に体を動かすことも、健やかな生活リズムをつくるために大切です。
■心身の土台と疲労回復を支える「タンパク質」
〈役割〉
タンパク質は、筋肉や皮膚、髪、内臓など、私たちの体をつくる材料となる栄養素です。 また、神経伝達物質やホルモンの材料にもなるため、心と体のコンディションを保つうえでも欠かせません。 特に年齢を重ねると不足しやすくなるため、毎食取り入れることを意識しましょう。
〈多く含む食材〉
・肉類
・魚介類
・卵
・牛乳、ヨーグルト、チーズ
・豆腐、納豆などの大豆製品
〈取り入れ方〉
親子丼は、鶏肉と卵を一緒に摂れるため、タンパク質を手軽に補えるメニューです。さらに、小鉢に冷ややっこやサラダを添えると、栄養バランスも整いやすくなります。
■ ストレスへの抵抗力を高める「ビタミンC」
〈役割〉
ビタミンCは、ストレスを受けた体を支えるほか、健康な肌や血管を保つためにも欠かせない栄養素です。 水に溶けやすく体内にためておくことが難しいため、一度にたくさん摂るよりも、毎日の食事でこまめに補うことが大切です。
〈多く含む食材〉
・パプリカ(赤ピーマン、黄ピーマン)
・ブロッコリー
・菜の花
・じゃがいも
・キウイフルーツ
・いちご
・柑橘類
〈取り入れ方〉
ブロッコリーやパプリカを使ったサラダに加え、キウイやいちごを使ったスムージーもおすすめです。じゃがいもは加熱しても比較的ビタミンCが失われにくいため、スープや肉じゃがなどの料理にも取り入れやすい食材です。
■ 環境を整えて脳にアプローチする「食物繊維」腸内環境を整え、脳と腸のつながりを支える「食物繊維」
〈役割〉
腸は「第二の脳」とも呼ばれ、脳と密接に関わっています。 腸内環境が乱れると、お腹の調子だけでなく、心や体のコンディションにも影響を与えることがあります。 食物繊維は、善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えるために欠かせない栄養素です。
〈多く含む食材〉
【水溶性食物繊維】
・海藻類
・オクラ
・納豆
【不溶性食物繊維】
・きのこ類
・ごぼう
・さつまいも
・玄米
・大豆
〈取り入れ方〉
食物繊維には、水に溶けやすい「水溶性食物繊維」と、水に溶けにくい「不溶性食物繊維」があります。どちらも大切なため、偏らずに取り入れることを意識しましょう。 きのことわかめのみそ汁や、ごぼうのきんぴら、オクラの和え物などは、食物繊維を手軽に取り入れられるメニューです。主食を白米から雑穀米や玄米に替えるのもおすすめです。 発酵食品と一緒に食べると、善玉菌とそのエサを一緒に摂ることができます。
■ 自律神経のコントロールに働く「γ-オリザノール」米ぬか由来の成分「γ-オリザノール」
〈役割〉
γ(ガンマ)-オリザノールは、玄米や米ぬかなどに含まれる成分です。 自律神経との関わりについて研究が進められており、医薬品にも用いられている成分として知られています。一方で、食品として摂る場合は医薬品とは含有量や目的が異なるため、毎日の食事の中で無理なく取り入れることが大切です。
〈多く含む食材〉
・玄米
・胚芽米
・米ぬか
・米油
〈取り入れ方〉
白米に玄米や雑穀米を混ぜて炊くと、食べやすく続けやすくなります。玄米が苦手な方は、普段使う油を米油に替えることから始めてみるのもおすすめです。
■ 胃腸の粘膜を保護し働きを助ける「ビタミンU」胃腸の粘膜を健やかに保つ成分「ビタミンU」
〈役割〉
ビタミンUは、キャベツから見つかった成分で、「キャベジン」という名前で聞いたことがある方もいるかもしれません。正式なビタミンではありませんが、胃や腸の粘膜を守り、健やかに保つ成分として知られています。 自律神経と胃腸は深く関わっているため、胃腸の調子を整えることは、自律神経を意識した食生活でも大切なポイントです。
〈多く含む食材〉
・キャベツ
・ブロッコリー
・カリフラワー
・アスパラガス
・レタス
〈取り入れ方〉
キャベツたっぷりのスープやロールキャベツ、蒸し野菜などは、毎日の食卓にも取り入れやすいメニューです。胃腸に負担をかけたくないときは、温かいスープや煮込み料理にすると食べやすくなります。 自律神経を食事から支えるには、ひとつの栄養素や食品だけを集中的に摂るのではなく、主食・主菜・副菜を組み合わせることが基本です。毎日完璧を目指さず、続けやすい食材から少しずつ取り入れてみましょう。
2. ホッとする時間に!自律神経を整える飲み物
温かい飲み物や香りを楽しめる飲み物は、ほっとひと息つく時間をつくり、副交感神経が優位になりやすい環境づくりをサポートします。 特に夕方から夜にかけては、カフェインを控えめにしながら、体を温める飲み物を取り入れるのもおすすめです。 ■
■ リラックス効果を高める「ココア」
ココアには、GABAやポリフェノールなどが含まれています。温かいココアをゆっくり飲む時間は、心と体をほっと落ち着かせるひとときにもなるでしょう。 市販の調整ココアには砂糖が多く含まれているものもあります。純ココアを牛乳や豆乳で作ると、甘さを調整しながら、タンパクたんぱく質も一緒に摂ることができます。 ■
■ 香りで副交感神経を優位にする「ハーブティー」
ハーブティーは、香りや温かさを楽しみながら、ほっとひと息つく時間をつくりやすい飲み物です。忙しい毎日の中でリラックスする時間を持つことは、自律神経を意識した生活習慣にもつながります。 ・カモミール…やさしい香りで、リラックスタイムにおすすめ。 ・レモンバーム…すっきりとした香りで、気分転換したいときに。 ・ラベンダー…穏やかな香りが特徴で、ゆったり過ごしたい夜にもおすすめ。 ■
■ 大豆イソフラボンで優しく整える「ホット豆乳」
豆乳には、タンパクたんぱく質や大豆イソフラボンが含まれています。大豆イソフラボンは、女性ホルモン「エストロゲン」と似た構造を持つ成分で、更年期世代のゆらぎを意識した食生活でも注目されています。温めて飲むことで体も温まり、ほっとひと息つく時間にもおすすめです。 温めた無調整豆乳にはちみつを少量加えたり、きな粉を加えたりすると、やさしい甘さで飲みやすくなります。砂糖が多く含まれる調製豆乳よりも、無調整豆乳を選ぶと大豆本来の栄養を取り入れやすいでしょう。 ■
■ 腸内環境から脳にアプローチする「飲むヨーグルト」
飲むヨーグルトは乳酸菌を手軽に摂れる飲み物です。腸内環境を整えることは、自律神経を意識した食生活にもつながります。
3. 自律神経を整える食事と生活習慣6つのポイント
自律神経を整えるためには、栄養だけでなく生活リズムを整えることも重要です。 食事の時間や睡眠、運動、入浴など、毎日の習慣を少し見直すだけでも、自律神経にとって良い環境づくりにつながります。 無理にすべてを変える必要はありません。まずは続けやすいことから始めてみましょう。
■ 規則正しい「1日3回の食事」でリズムを作る
食事の時間が不規則になると、体内時計も乱れやすくなります。できるだけ毎日同じ時間に食事を摂ることを心がけましょう。
■ 胃腸の負担を減らす「腹七分目」と野菜中心のメニュー
[18.1] 食べ過ぎは胃腸に負担をかける原因になります。腹七分目を意識し、野菜を取り入れたバランスの良い食事を心がけましょう。
■ 就寝前の胃腸を休める消化を防ぐ「夕食後3時間の休息」
就寝直前の食事は胃腸が十分に休めません。夕食は就寝の3時間前までを目安にするとよいでしょう。
■ 脱水を防ぐ「お酒と一緒にお水を飲む」工夫
アルコールは水分不足につながることがあります。お酒を飲むときは、水も一緒に飲むことを意識しましょう。
■ 心身の緊張をほぐす「適度な運動」
ウォーキングやストレッチなどの軽い運動は、気分転換にもなります。無理のない範囲で続けることが大切です。
■ 自律神経をスイッチする「良質な睡眠と入浴」
ぬるめのお湯にゆっくり浸かり、十分な睡眠時間を確保することも、自律神経を整える生活習慣のひとつです。
4. まとめ
自律神経は、私たちの体を24時間休むことなく支える大切な働きを担っています。 そのため、乱れを感じたときは、一つの食材や栄養素だけに頼るのではなく、毎日の食事や生活習慣を総合的に見直すことが大切です。 GABAやトリプトファン、ビタミンB6、食物繊維などを含む食材をバランスよく取り入れながら、規則正しい食事や十分な睡眠、適度な運動、ゆっくり入浴する時間も意識してみましょう。 「今日は親子丼にしてみよう」「明日の朝はスムージーを飲んでみよう」など、小さな工夫を積み重ねることが、心と体の健やかさにつながります。 毎日完璧を目指す必要はありません。 できることから少しずつ取り入れ、自分に合った方法を楽しみながら続けることが、自律神経を整え、自分らしく過ごせる毎日への第一歩になるでしょう。



